浜名湖は海の幸の宝庫だ。春夏秋冬折々の獲物は、そのまま「味の歳時記」である。
この素晴らしい自然の恵みもそれに合うサケに出会ってこそ、サカナとして輝く。そのサケは如何にして求めようか。
日本人の酒飲みの傾向は「酔うためのもの」の印象が強く、料理をおいしく食べるためには二の次だったと思う。
フランス料理ではワインを選ぶ。ワインはまた料理を選ぶ。ワイン・アドバイザ−としての、「ソムリエ」がいて、料理とワインの媒酌人を務めるので、テ−ブルも楽しい。
豊かな時代の到来で、空腹を満たす食事から生活を楽しくする料理へと変われば、日常の食生活でも料理と酒のよい結びつきが求められる。
日本酒のソムリエとしての『酒匠・サカショウ』を数年前から提案してきたのには、こうした時代の背景がある。
サケとサカナの相性を見る酒の匠(たくみ)である。この相性診断が、まことに楽しい。
幸いにして、日本酒にも多様な味があり、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、濁り酒などを取り揃えて、文字通り「酒匠」を努める酒屋さんがある。まさに「酒は湖西にあり」。同じ思いはワインにも及ぶ。
魚のときのワインは白、などとは、マリ−・アントワネットの呪咀にかかった人のいうこと、赤ワインもいける。同じく白味の刺身でも、カレイとヒラメ、ハゼとコチでは各々ワインとの相性も違う。
日本酒では、熱燗・温燗・冷酒の変化で、刺身、焼魚、煮魚、揚物、酢物との相性診断が楽しめる。ビ−ル、焼酎、ウィスキ−など各種の酒も考えれば、ヨダレが出てくる。
うまいサカナとサケを楽しめれば、これこそ「百薬の長」。この味の演出家が「よりよい酒を吟味してお届けする」、大津屋の酒匠集団である。
酒在湖西。浜名湖畔の美味しんぼと酒呑みに栄光あれ。
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